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憲法改悪阻止、日本のグローバル競争・軍事大国化に抗し、教育における個人の尊厳と民主主義の実現を |
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掲載日:2016/7/22 |
7月10日投開票の参議院議員選挙において、改憲をめざす議員が3分の2以上を占めるに至りました。現在の日本国憲法のもとで、改憲勢力が衆参両院で3分の2以上を占めるのは初めてのことであり、極めて憂慮すべき新しい重大な事態に入っています。 |
選挙中、安倍首相は憲法問題には触れず、もっぱら経済問題を前面に出して争点隠しに終始しましたが、結果が出るやいなや、直ちに国会の憲法調査会での議論開始を言明し、任期中に憲法改正に取り組む姿勢を表明しました。
しかし今回の選挙では、昨年来の安保法制に反対し立憲政治を取り戻し、安倍政治を許さない広範な市民運動と野党4党による共闘が実現し、すべての1人区で統一候補が成立し、そのうち3分の1の当選を勝ち取るという成果をあげることができました。こうした市民運動と野党との共闘の前進は画期的なものであり、今後ともあらゆる分野の運動で共闘を広げていける展望を築くことができました。
改憲勢力がねらう憲法改正の本丸は、第9条を否定し国防軍が持てる軍事大国をめざす道であり、私たちは何としてもこの道を阻止するために今後とも闘って行きます。
特に自民党の改憲草案は、国民主権の理念はじめ国民と国家の関係を根底から覆す全面的なものになっています。典型的には第13条で保障されている個人の尊厳と幸福追求権を、公益及び公の秩序維持の理由で抑圧するものとなっています。そもそも「命と平和と個人の尊厳」を守ることは教育に貫かれるべき重要な原理であり、これをないがしろにすることは許されません。
さらに、自民党の草案では、教育の権利を示した第26条に、あらたに第3項を加え「国家による教育環境整備努力義務」を提案しています。これは第1項で「国民の教育を受ける権利」を規定したことと矛盾するのではないかという疑念が指摘されており、今後十分な検討が求められます。
これから安倍政権の暴走政治は加速するおそれがありますが、安保法制、立憲主義、沖縄新基地、消費税、原発、TPPなど国民的に争われている諸課題において、ますます矛盾と対立が深まって行くのは必至です。こうした課題のなかに教育も組み込まれています。それは、安保法制を担う「人づくり」を許さない取り組みであり、具体的にはグローバル競争下での「たくましい企業戦士」づくりと、海外派兵による「戦場での戦士」づくりに対抗する平和と人間尊重への道の実現です。
私たちは、安倍政権の憲法改悪の企てを阻止し、その企てを支える日本のグローバル競争・軍事大国化の動きに抗し、教育における個人の尊厳と民主主義の実現を高く掲げて、教育の実践と研究にまい進していく決意を、ここに表明するものです。
2016年7月15日 民主教育研究所運営委員会
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