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戦争法案の強行採決に断固抗議する―違憲の戦争法は廃止しかないー |
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掲載日:2015/10/5 |
去る9月19日未明、国会前で多くの市民の抗議の声がこだまするなか、政府・与党は、憲法違反の「戦争法案」(安全保障関連法案)を参議院本会議で強行採決し成立させた。
私たちは、圧倒的な国民の声を無視し、立憲主義の原則を踏みにじる暴挙に断固抗議するものである。 |
国会審議を通じて戦争法案の違憲性と矛盾、その内容の危険性が日ごとに明らかになるなかで、法案に反対するデモや集会は全国数千か所に及び、連日多くの市民が国会正門前を埋めつくした。
それは、終盤には12万人の市民が国会を包囲するという歴史的な大運動にまで発展した。通常の民主主義国家であれば、当然、廃案や継続審議の判断がなされたはずである。ところが安倍政権は、国民世論や専門家の指摘を完全に無視し、数の暴力で国会審議を打ち切り、採決を強行した。これは、主権在民ならびに議会制民主主義の原則など全く意に介さない安倍首相の独裁者としての正体を如実に示すものである。
また安倍首相は、24日の自民党総裁選の再選会見で、国民の最大の関心事である「戦争法」には一言も触れることはなかった。それは、「絵に描いた餅」の経済政策を持ち出せば、国民はすぐに忘れてしまうだろうという彼の国民蔑視の姿勢のあらわれである。
しかし私たちはこの9月19日をけっして忘れない。「戦争法案反対」の声は、採決直後から「廃止」の声に変わり、今も全国各地で抗議のデモや集会が継続している。19、20日に実施された各紙世論調査でも、7〜8割の人々が「国民に十分説明していない」と回答し、過半数が成立に「反対」あるいは「評価しない」と答え、内閣支持率も軒並み低下した。
私たちには希望がある。一つは、広範な国民の声と行動が、国会での野党の闘いを支え、政府・与党を大きく揺さぶったという、その政治的経験である。その経験は多くの国民に共有され、戦争法廃止という新たな闘いのステージを支えるエネルギーとなるだろう。もう一つの希望は、若者たちである。SEALDsを中心とする若者たちは、「民主主義ってなんだ」のコールと共に、新たな「声をあげる文化」をつくり出した。立憲主義、民主主義、平和主義を希求する彼らの思想と行動は、戦後70年、私たちが築いてきた民主教育の成果であり、希望である。
闘いは、終わっていない。私たちは、戦争法を廃止する新たな政府の実現をめざす共同の動きを大いに歓迎する。そして、戦争法廃止に向けてあらゆる努力を尽くし、戦争法の発動を許さない世論と運動を発展させることをここに表明する。
2015年10月3日 民主教育研究所
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