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民主教育研究所設立趣意書 |
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掲載日:2022/12/3 |
いま人類は、全世界的な規模で激動の時代に生きている。冷戦構造は大きく変わりつつあるが、いまだに戦争の危機を回避しえてはいない。
地球環境の破壊はいたる所ですすみ、さまざまな形態の差別、民族間の対立もなお深刻である。一方に貧しさと飢餓の広がりがあり、他方には「豊かさのなかの貧困」の問題もある。 |
こうした現代の危機を打開しようとする人々の努力も着実につみ重ねられている。そのような努力や英知の源泉の一つが教育にあることを、私たちは確信する。
私たちは、子ども・青年や成人の現実生活を直視し、ひとりひとりの、人間としての発達可能性を拓く教育の仕事をとおして、人間の尊厳の確立と人間性の回復に力をつくしていきたい。そのさい私たちは、日本国憲法と教育基本法、子どもの権利条約などに示されている民主的な理念を教育の原理にすえ、現代文明と教育の質を問い直したい。
私たちが、民主教育研究所を創るのは、教育の場に、人権と自由、平和と民主主義をみなぎらせ、すべての者の学ぶ権利を保障し、人間としての発達をはげまし、自立と社会参加の道をひらく教育を探求するためである。
この研究所は、真理と真実にもとづき、研究をとおして、広く教育の仕事にたずさわるものの実践を支え励ます拠点として設立される。研究と教育は統一的に把握されねばならず、教育実践を担う教育者自身もまた研究の主体である。研究の過程では自由と自主性を重んじ、異る意見や研究方法の多様性を認め合うことが不可欠である。
研究所は、教育の実践・研究にかかわる情報の収集、交流に努め、必要な調査や教育上の課題の研究をおこなう。また、共通の願いにもとづいて設立された全国各地の諸研究機関との交流に努める。
研究所は、民主教育の発展を願う広範な人々の参加と協力によって発展していく。
私たちは、地域の切実な課題にとりくむことから出発し、人類的な視野に立ち、広く学問や文化に学びながら、人間と教育についての英知の結集の場となることをめざし、ここに民主教育研究所を設立する。
(1992年2月19日 第一回研究所評議会)
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